えまのんの雑記

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【風来のシレン5plus】武器束ねの腕輪の仕様検証

武器束ねの腕輪
なにかとネタにされがちだけど、ちゃんとした仕様は分からない。wikiにも書いてないし、ブログの記事も出てこない。(実は検証動画があるが検証し始めてから知ったし、検証方法も違うので検証を続行した。)

みんな詳しい仕様も知らないのに馬鹿にしてるだろ。そんなの許せない!

ということで調べることにしました。

 

方針

前述のとおり動画で検証を行っている人が既にいるので、違うアプローチもしくは違う見解が得られなければ検証を行う意味は薄い。(文字ベースという点である一定の価値はある)

というわけで私の検証の方針は以下の通り。

  • ダメージ増加の要因となるパラメータを発見する
  • 発見したパラメータをもとにダメージ計算を行い、その正当性を検証する

 

腕輪が影響を与えるパラメータの候補

まずはダメージ計算式の確認。(組長式より引用)

ダメージ = [攻撃×乱数÷100-守備]×種族倍率

攻撃 = Lv攻撃+力攻撃+装備攻撃
レベル攻撃力 = LOG(レベル×0.4+1)×24-3
ちから攻撃力 = LOG([ちから÷2]-1.25)×LOG([ちから÷2]-1.25)×25 (ちから8以上)
装備攻撃力 = 強さ×0.585


守備 = 守備力÷2

乱数 = 87~112 のうち一つ
種族倍率 = 一致した場合武器レベルに応じた倍率(今回検証しないため1とする)

 

武器束ねの腕輪のダメージの増加方法として考えられるのは、

  1. ダメージ計算後の数値に定数をプラス(定数増加)
  2. ダメージ計算後の数値に定数を掛ける(割合増加)
  3. 武器のつよさに定数をプラス
  4. ちからの数値に定数をプラス
  5. 攻撃(レベル・ちから・武器の攻撃力の合計)に定数をプラス

というものが挙げられる。

レベルに何らかの値をプラスする、というのも考えられなくはないがあまりに荒唐無稽な上、ダメージ計算においてレベルの与える影響は小さいため今回は考慮しないものとする。

上の5つの説について検証し、武器束ねの腕輪の仕様を明らかにしていく。

 

検証方法

いくつかの検証を行う必要があるので共通する方法について記しておく。
腕輪と所持している武器の数を変えて検証する。

  • 防御力1の敵に対するダメージを記録(運命の小道1~2F)
  • 途中でレベルが上がらないようにギタンマムル×2でレベルアップ(Lv.23)
  • 武器:大隕鉄聖剣+1(つよさ:26)
  • ちから:8
  • 火力上昇に係る印なし

以上の条件で100体のモンスターを倒し、出たダメージを記録する。

 

検証0:武器束ねの腕輪1個装備+同種武器0個

要するに今装備している武器は腕輪の効果の影響を受けるかという検証。
前回の記事にも書いたのでサクッと結果だけを載せる。

ダメージ 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46
出現数 4 4 12 3 7 12 9 12 11 10 10 6

最小35、最大46、平均41.07。装備なし状態の最小35、最大46、平均40.61と比較するとわずかに平均が上がっているが、誤差の範囲と言えるだろう。後の検証ではもっと分かりやすくダメージが増加していることからも、装備中の武器は腕輪の影響を受けないとみて間違いないだろう。

 

検証1:武器束ねの腕輪1個装備+同種武器1個

こっからが本題。武器束ねの腕輪が影響を与えているパラメータを推定する。検証1のみ300体のモンスターを倒してダメージを記録した。結果を次の表に示す。

ダメージ 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51
出現数 20 26 29 27 21 18 36 25 25 22 18 33 10

最小39、最大51、平均44.9。装備なしのときと比べると、4~5ダメージ増加している。

ここで注目してほしいのは最小値と最大値。もし、上で示したダメージ増加方法1の定数増加であるならば、最小・最大の増加幅が一定であるはずである。しかし、今回の結果では最小値は4増加、最大値は5増加と異なる増加幅となっている。

これにより、計算後の数値に定数を加える定数増加の説は棄却される。

 

では次に、ダメージ増加方法3~5の説について検証していく。

検証方法は、それぞれのパラメータを一定値増加させ、計算により最小・最大を求める。求めた最小・最大と実測値の最小・最大を比較し、合致するものを探すというシンプルな方法で行う。

各パラメータを変化させ、最小・最大ダメを求めると次のようになった。実測値と一致したものは色を付けている。

火力上昇方法 最小ダメ 最大ダメ

ちから+2

38 50
ちから+4 41 53
武器つよさ+7 39 50
武器つよさ+8 39 51
武器つよさ+9 40 52
武器つよさ+10 40 52
攻撃+4 39 50
攻撃+5 40 51

この中で、最小・最大ダメージが一致するのは武器のつよさに8を加えた場合のみ。

ちなみにシレン5におけるダメージ乱数は上にも書いたように87~112の26通り。300回試行して1/26が引けない確率はほぼ0に等しいので、最小・最大がピッタリ一致していないと計算式が違うと断定できます。

攻撃の数値に加算するのはわざわざ整数である必要はないけれど、流石にそんな面倒なことするか?と思うので考慮しません。

これによって武器束ねの説4と5が棄却されました。残る説は以下の2つのみ。

  1. ダメージ計算後の数値に定数をプラス(定数増加)
  2. ダメージ計算後の数値に定数を掛ける(割合増加)
  3. 武器のつよさに定数をプラス
  4. ちからの数値に定数をプラス
  5. 攻撃(レベル・ちから・武器の攻撃力の合計)に定数をプラス

2の割合増加に関しては、ダメージの平均の推移を見ながらゆっくりと考えていきましょう。

 

本命の3の説「武器のつよさに定数をプラス」について追加検証を行います。

方法は、武器のつよさに+8をした際の出現頻度(予測値)と実測値の出現頻度を比較します。これがピッタリ一致すれば3の説がより後押しされることになります。

結果は次の通り。

概ね一致していると言っても良いのではないでしょうか。ますます3の説が信憑性を帯びてきました。

なんかややこしい計算をして、どのくらいの割合で正しいとか出せるっちゃ出せるんでしょうけど面倒なのでパス

 

検証2:武器束ねの腕輪1個装備+同種武器1~6個+未装備の比較

一気に行きます。各個数の最小・最大及び平均と、束ねた数1個前との平均の差、腕輪未装備状態との平均の差、未装備を1としたときの平均の増加率を求めました。改めて、試行回数は0:215、1:300、他はすべて100回です。(武器0個は腕輪未装備の際に倒した115体のデータを追加)

束ねた武器の数 0 1 2 3 4 5 6
最小 35 39 41 44 46 48 50
最大 46 51 54 56 59 61 64
平均 40.82 44.90 47.82 49.4 52.22 54.35 57.45
一個前との平均差 0 4.08 2.92 1.58 2.82 2.13 3.1
未装備との平均差 0 4.08 7 8.58 11.4 13.53 16.63
平均の増加率 1 1.10 1.17 1.21 1.28 1.33 1.41

更に、最小・最大・平均の推移をグラフにすると次のようになった。

試行回数が少ないので平均にどこまで意味があるか分かりませんが、平均の増加率を見ると、割合増加であるようには思えない。少々雑ですが2の説「ダメージ計算後の数値に定数を掛ける(割合増加)」も棄却してよいでしょう。

むしろ、この結果だけを見ると定数増加だと考えるほうがよっぽど自然ですね。しかし定数増加の説は先程棄却されたのでした。残る説はというと、

  1. ダメージ計算後の数値に定数をプラス(定数増加)
  2. ダメージ計算後の数値に定数を掛ける(割合増加)
  3. 武器のつよさに定数をプラス
  4. ちからの数値に定数をプラス
  5. 攻撃(レベル・ちから・武器の攻撃力の合計)に定数をプラス

「武器のつよさに定数をプラス」の説のみになってしまいました。

というわけで、ここからは3の説の裏付けに入ります。ここで一つの仮説を立てます。その仮説とは、

「武器束ねの腕輪の効果は武器のつよさ(修正値)に4N+4を加えること」

(Nは束ねた武器の本数)です。但し、武器の個数が0のときは補正無しとします。具体的に数字を入れてみると、N=1(武器一個持ち)のとき武器のつよさに+8、N=2のとき武器のつよさに+12…といった具合です。

3の説の裏付けは上の仮説の裏付けと言い換えても良いでしょう。この仮説を立証していきます。

立証方法は仮説に基づいて各個数の最小・最大を求め、実測値と比較するというもの。最大・最小がピタリと一致する、ということがどれだけ難しいかは検証1の例を見てもらえば明らかだと思います。では計算結果を示します。一致した場所は色付けしています。

N 0 1 2 3 4 5 6
最小 35 39 41 44 46 48 50
最大 46 51 54 56 59 61 64

”完 全 一 致”

計算式が完全に正しいと胸を張って言うことができないので、どこか一つくらいは違うのが出るかと思っていましたが、きれいにすべて一致してくれました。仮説が正しいと証明できたのではないでしょうか。

というかこのくらいで許してください。まだ腕輪2個の検証が残っているのです。

 

余談ですが、先駆者様の動画では定数ダメージ増加で、その増加幅は2.5ダメージと結論付けていました。

一見、私の結論と大きく異なるように思われますが、実はそうでもありません。

というのも、ダメージ計算式の中で武器のつよさは0.585を掛けた上で他の2つの攻撃力と合算していました。この後で、色々とややこしい処理をしていましたが、イメージとしては、修正値+1に対してダメージは0.585増加すると認識して大丈夫です。

ここで、私の仮説を日本語訳すると、武器の数が1個増加すると修正値が4増加するというものでした。

武器1個あたり修正値+4ということは、4×0.585=2.34となり、武器1個あたりの増加幅は2.34となります。(乱数などが絡むので正確ではない)

どうでしょう。先駆者様の結果と近い数字が出てきました。

先駆者様の動画では、武器0個→武器1個の際のダメージアップを考慮しておらず、すべての数値の差を平均しているため2.34よりもやや大きい2.5という結果になっていました。

おそらく武器0個→1個の場合を取り除いてから平均を計算すれば、より私の理論と近い結果が得られたのではないでしょうか。

 

というわけで結論として、武器束ねの腕輪1個装備の場合、

「武器束ねの腕輪の効果は武器のつよさ(修正値)に4N+4を加えること」

(Nは束ねた武器の本数)但し、武器の個数が0のときは補正無し

と断定します。

 

検証3:武器束ねの腕輪2個装備+同種武器1~6個

サクッと結果出しときます。武器0個は省きました。

束ねた武器の数 1 2 3 4 5 6
最小 44 48 52 56 60 64
最大 56 61 67 72 77 82
平均 50.04 54.40 59.37 63.41 68.89 72.09

想定していたよりも上昇値が大きかったです。

ちょっと結論から逆算するようで乱暴ですが、早々に腕輪2個装備の際の仮説を提示します。

「武器束ねの腕輪の2個装備の効果は武器のつよさ(修正値)に8N+8を加えること」

(Nは束ねた武器の本数)です。但し、武器の個数が0のときは補正無しとします。

これを検証しましょう。例によって最小・最大を比較します。

N 1 2 3 4 5 6
最小 44 48 52 56 60 64
最大 56 61 67 72 77 82

はい、”完 全 一 致”

これにて仮説立証とします。

 

というわけで一応結論。

武器束ねの腕輪2個装備の場合、

「武器束ねの腕輪の効果は武器のつよさ(修正値)に8N+8を加えること」

(Nは束ねた武器の本数)但し、武器の個数が0のときは補正無し

 

結論

というわけで今回の検証によって、武器束ねの腕輪の仕様がついに明らかになりました。その仕様とは、

「武器のつよさ(修正値)にM×(4N+4)を加えること」

(M:装備した腕輪の数、N:束ねた武器の本数)但し、武器の個数が0のときは補正無し

でした。

武器が1個増えるのにつきダメージは平均すると腕輪1個なら2.34増加、腕輪2個なら4.68増加します。

 

最後に、求められていないかもしれない武器束ねに対する私の所感を述べます。

まず、思っていたよりは上昇値が大きかったことに驚きました。特に腕輪2個装備をしていると、目に見えて火力が上昇しており、一瞬アリなのでは?と思わされるほどでした。
ただし、忘れてはいけないのは発動条件の厳しさ。持ち込み不可ダンジョンではせっせと集めても拾える同種武器の数は限られています。また、運用に際して武器の出現頻度を考えると運用可能な武器が縛られてしまうのも欠点と言えます。
以上のことから、実際に運用したわけではないので断定はできませんが、少なくとも持ち込み不可ダンジョンでは他の勝ち筋を探すほうが圧倒的に楽そうだと感じます。

というわけで検証の結果、武器束ねの腕輪はあえて運用する必要はないが、決まったときの火力上昇はロマン。そんな腕輪であると私は思います。
テキトーに馬鹿にしていい腕輪ではないのだ。